「男の映画」
「男には残さないといけないものがある」
クリント・イーストウッドは、そう言ってるようでした。
それは、例えば。
「女の子を、スムーズにデートに誘うコツ」やったり。
「気の置けない男友達との、辛辣でオチャメな会話」やったり。
「壊れたものの修理方法」やったり。
「愛するものを大切にする事」やったり。
「弱いものを守る力」やったり。
「悪を挫く正義の心」やったり。
「潔い男の最後」やったり。
ホントは白人である「息子」にそれを残したかったけど、息子との溝は埋めきれず、わだかまりが彼を苦悩させました。
老人は「自分の残す物」をヘタレだけど純粋な移民のタオに「男の心意気」を残しました。
ポンコツでガンコだけど、磨き上げられて、堂々として、いぶし銀のような風格が漂う、男が憧れる「グラン・トリノ」は老人自信です。
そして、それは老人にとって「古き良きアメリカ」でもあるのでしょう。
「グラン・トリノ」と共に、老人の「男の心意気」は残りました。
そして、それは、きっと引き継がれていくでしょう。
「アメリカ」は形を変えても「アメリカの心」は生き続ける。
イーストウッドは、そう言ってるようにも思いました。
いい映画でございました。